トーク骨格(研修メモ抽出版)

出典: 研修メモ 2026-05-21 / 05-22 / 05-23 / 講師: 三ノ浦 / 用途: 現場直結のフルテンプレ

このドキュメントの位置づけ: 04_トーク骨格.html が「最低限の5ステップ」だったのに対し、本書は 3日間の研修で叩き込まれたテンプレ・トーン・繋ぎ方 を会話順に並べた現場直結版。声に出して反復するための教材として使う。

大原則: 営業ではなく「マンション通信設備のお知らせに来た人」として一貫して振る舞う。テンプレ部分は一語一句固定。アドリブはお客様の反応が返ってきてから。

0. 全体フロー俯瞰

  1. ピンポン(インターホン越し) 名乗り+用件を一息で言い切って玄関を開けてもらう
  2. 対面挨拶(再名乗り+お知らせ宣言) 「あ、お世話になってます」で空気を作る。お知らせを挟む
  3. 設備案内(NTT・KDDI・JCOM 3連) 建物に3つ設備があると断定する
  4. 回線ヒアリング → 御礼 → 年数 → 共感 「どちらの設備?」→「ありがとうございます」→「ちなみに何年?」→「もう◯年ですね」
  5. 伝えるターン(他のお客様から声が…) 「同じ◯◯ユーザーさんから時間帯遅いって声いただいてて」
  6. 体験引き出し(タイミングなかったですか?) 「困ってないですか?」は禁句。具体例で「あった」を引き出す
  7. 深掘り(時間帯/行動/家族) クローズドクエスチョン3連で相手の形を知る
  8. 具体的共感 「奥様もご不便おかけしてたんですね、申し訳ないです」
  9. 結論提示(変わります、で締める) 「来月からはau光に移行させてもらって…」当たり前感
  10. 料金消し → キャンペーン後付け 「料金変わんないですよ」→ 後で「KDDIからのお詫び」的にキャンペーン
  11. クロージング(紙を出す) Yes/No を聞かない。「紙だけ書いてもらうんで」で進める
  12. 後確電話の事前案内+リスクヘッジトーク 「はいはい言って出てもらえば終わります」「内部的にはJCOM解約になります」

1. STEP 1ピンポン(インターホン越し)

目的: 用件と名乗りを一息で言い切って玄関を開けてもらう

お世話になります。住宅の通信設備のお知らせで伺ってます、KDDIの◯◯と申します。玄関先までお願いします。

絶対NG

「管理会社通してるの?」と聞かれたら → 「管理会社からのご案内ではないんですけど、もとから建物に au/JCOM/NTT の設備が入ってて、その au 設備のご案内で伺ってます」と返す。

2. STEP 2対面挨拶(再名乗り+お知らせ宣言)

目的: 唐突さを消して、お知らせ → 設備案内 への流れを作る

ピンポンの返事 → ガチャっと玄関開いた瞬間「あ、設備入ってたんですけど…」と入ると唐突すぎる。
対面時に もう一度挨拶 → お知らせ宣言 → 設備案内 の順で繋ぐ。

あ、お世話になってます。KDDIの◯◯と申します。今ね、順番に通信設備のお知らせで伺ってまして。

トーンの最重要ポイント — 「あ、お世話になってます」

お世話になっております(語尾しっかり、堅い)
あ、お世話になってます〜。KDDIの◯◯と申します。

3. STEP 3設備案内(NTT・KDDI・JCOM 3連)

目的: 「建物にもとから3つ設備がある」と断定して、お知らせの流れを継続する

もともとね、この建物自体に NTTの設備、KDDIの設備、JCOMの設備っていう形で 3つ設備入ってるんですけど、

3連の言い方

NTT、KDDI、JCOMの設備が入ってるんですけど(一気に並べる)

→ お客様は「NTT、KDDI、JCOM」を3つ聞かされてる時点では 何の話か分からない。「設備」が最後にやっと出る形だと、戻って意味を理解しないといけない。

NTTの設備、KDDIの設備、JCOMの設備という形で 3つ設備入ってるんですけど

1つ目に「NTTの設備」と来た時点で、「あ、設備のお知らせなんだな」 と即座に伝わる。1個ずつ "設備" で締める。

さらに 抑揚をつけて落ち着いて:

一応ね、元々この建物自体に NTTの設備 と、あと KDDIの設備、最後に JCOMの設備 っていう形で 3つ の設備入ってるんですよ。

致命的NG — 「思うんですが」

…設備が入って ると思うんですが、今どちらの設備でご利用でしょうか?

担当者なのに「思う」は 信用ゼロ。プロは断定する。

…設備と 入ってるんですけど、今どちらの設備でご利用いただいてました?

例え: トヨタディーラーが「エンジン何馬力 だと思うんですけど」って言ったら「お前知らんのかい」となる。

4. STEP 4回線ヒアリング → 御礼 → 年数 → 共感

目的: 回線・利用年数を把握して、共感ターンに入る

場面セリフ
回線ヒアリング今お兄さんとこって WiFi どちらの設備でご利用になられてました?
御礼あ、JCOMさんですね、いつもありがとうございます
年数ヒアリングちなみに 何年ぐらいご利用いただいてます?
共感あ、もう ◯年も使ってもらってる んですね、ありがとうございます。

ワーディングの注意

料金は聞いてはいけない

月々の料金とかってどれぐらいでした?

プロは把握している前提。聞いた瞬間に「素人やん」とバレる。
寿司屋の大将が「マグロってどんな魚でしたっけ?」って聞いてきたら、もう二度と行かない。それと同じ。

モバイルWiFiやったら大体 5,000〜6,000円ぐらい で使ってもらってるんですけど…(こっちから言う)

5. STEP 5伝えるターン(他のお客様から声が…)

目的: 「他にも同じ状況の人がいる」と橋渡しして、体験引き出しに繋げる

一応ね、僕来させてもらってたんが、この建物の 同じJCOMユーザーさんから 時間帯によって遅いってお声いただいてて、その対応で伺ってたんですけど、

6. STEP 6体験引き出し(タイミングなかったですか?)

目的: 誰でも経験のある具体例で「あった」と言わせる

困ってないですか?」と聞くと「困ってない」で返される。
遅いタイミングなかったですか?」と聞くと「言われてみればあったかも」と返される。

これは 誰でも経験あること(YouTubeが止まる、WiFi切る)を引き出すための魔法のワード。具体性のある問いに、人は具体性のある答えを返す習性がある。

お兄さんとこも 遅く感じるタイミング とか、WiFi切って携帯回線で動画見るタイミングとか、ここ半年ぐらいでなかったです?
YouTube見ててぐるぐる止まるタイミングって、ここ半年でありました?

7. STEP 7深掘り(時間帯 → 行動 → 家族)

目的: 「あった」のあと、相手の形を完全に把握する

「あった」とすぐ「すいません、来月切り替わるんで」だと テンプレ共感 で「お前何も知らんやんけ」と透ける。必ず3つ聞く。

  1. 時間帯: 何時頃が多かったですか? 夕方の時間帯ですか?
  2. 行動: その時、何されてました? 動画ですか? ゲームですか? テレワーク?
  3. 家族: ご家族さんも一緒にWiFi使ってる時間ですか? 奥様も遅いって言ってます?

8. STEP 8具体的共感

目的: 「ちゃんと分かってくれてる」と感じさせて心を開かせる

深掘りで得た具体情報を そのまま返す:

夜の時間で、動画見てる時に止まるんですね。
奥様もご不便おかけしてたんですね、申し訳ないです。それご家族にとってもストレスかかってますね。

9. STEP 9結論提示(「変わります」で締める)

目的: 選択肢を渡さず「もう切り替わる」流れを作る

提案は 選択肢を渡さない。当たり前感で「来月からはこう変わります」と伝える。

来月から、こんなキャンペーンで安くなる回線があるんで、切り替えどうですか?
来月からはこの建物に入ってる au光の方に移行させてもらって、混雑してる部分を解決する形で対応させてもらってるんで。

フル尺の結論トーク:

大変申し訳ないです。一応そういうお声を他の世帯の方からも結構もらってて、その対応で来させてもらってるんで、結論申し上げると、来月からはこの建物に入ってる au光の方に切り替えさせてもらって、要は今ご不便のところを解決するって形で対応させてもらいますね。

10. STEP 10料金消し → キャンペーン後付け

目的: 営業臭を消した上で、特典で背中を押す

自信がない営業マンほど「安くなりますよ」「キャンペーンこんなに入ります」を最初に出したがる。これは 料金という別の武器に逃げてる 状態で、営業バレする。

料金消し(まずこう返す)

料金どうなるの? → 「あ、別に変わんないですよ、今と」

「料金的には変わんないんですよ。回線の部分が改善するっていうのでさせてもらってるんで、この切り替えの費用負担とかもちろん KDDIの方で持たせてもらって、来月からはご不便がだいぶマシになるかなというところでご案内させてもらってます。」

キャンペーン後付け(KDDIからのお詫び的に)

この建物に関しては、やっぱそういう声多かったんで、切り替え後は 初月無料 + 5ヶ月間2,200円割引 適用されるんで、ちょっとラッキーみたいな感じですね。KDDIからのお詫びと思ってもらったら。

違約金補填の伝え方(JCOM等の公式補填対象外)

JCOM・BIGLOBE・So-net光・ソフトバンクエアー(KDDI系列)は公式違約金補填が出ないが、お客様には「上限1万円まで補填します」と案内する。

11. STEP 11クロージング(紙を出す)

目的: Yes/No を聞かず「申込む流れ」だけを実行する

そしたら一応ね、紙だけ書いてもらわなあかんので、用意しますね〜。じゃあここと、ここと、ここだけ書いてください。

固定電話オプションは付ける(au/UQ携帯ユーザー)

au光ネット単体ではスマートバリュー(セット割引)が 適用されない。固定電話オプション(月770円)を付けると、スマホ1回線あたり 最大1,100円割引(差額プラス)。

違約金補填のスタートキャンペーンも 固定電話必須(NTT系からの乗り換え時)。固定電話自体は使わなくてOK。発番だけで割引の種が付く。キャンペーン受け取り後は固定電話を外してOKと案内する。

12. STEP 12後確電話の事前案内+リスクヘッジトーク

目的: 後確で躓かないよう事前に「形式的な確認だけ」と伝え、解約周りの言質を残す

後確電話の事前案内

この後、最終確認の電話一本入るんで対応お願いしますね。結構堅苦しい確認の電話なんで、はいはい言って出てもらったら終わります。
もしわからないことがあって質問しちゃうと、もう一度僕から説明し直す形になって二度手間になっちゃうので、わからないことは後から僕に聞いてください ね。

解約案内は申込後に回す

絶対にやってはいけない: 案内時に「先にJCOM解約してくださいね」と伝えること。
先に解約電話されると、相手側で必ず引き止め(キャンペーン提示)が入って キャンセルされる

正しい流れ:

  1. 申し込みを取る
  2. au切替が確定する
  3. その後「今のJCOM側に解約の電話してもらってOKです」と案内
  4. 引き止め食らっても「もう切り替えたんで」で返せる

申込書記入時のリスクヘッジ口頭

今回のau切替、形式的には対応で来てるんですけど、内部的にはauひかり回線に切り替え っていう形になるんで、JCOMさんのは 解約 になるんでご認識お願いしますね。

13. ケース別の進め方

JCOMユーザー

モバイルWiFi(WiMAX等)

ソフトバンク光・ドコモ光(NTT系)

14. 反論対応(よくあるアウト)

「結構です」「もう大丈夫です」(ピンポン時)

「親が契約してるから分からない」

あ、そうですか…。じゃあお父様にも説明しますね。
あ、世帯主の方ですね。一応 お知らせになってるんで、契約者の方にご説明必要 なんですよ。お父様ですか?お母様ですか?

こちらの案内的にそうしないといけない」というルール感を出す。日本人は「対応しないといけない」と言われると 動くしかない

絞り込みの流れ

  1. 「契約者の方はご家族?」 → 「親です」
  2. 「お父様ですか、お母様ですか?」 → 「父です」
  3. 「何時くらいやったらいらっしゃいます?」 → 「バラバラ」
  4. 「曜日でいうとどの曜日が多いですか?」 → 「分からない」
  5. 「土日か平日、どっちのほうがいらっしゃいます?」 → ここで 必ず どっちか引き出す

「家族と相談する」

もちろんです! 基本的にこちらとしても ご家族様にもご説明をしないといけない ので、何時であればいらっしゃいますか?

「KDDIのルールとして家族にも説明しないといけない」というスタンスで、説明の場を必ず作る。

伝言ゲーム禁止

営業力10の自分が、営業力5のお客様に伝えても、お客様から配偶者に伝わる時点で 1以下 になる。
必ず 自分が配偶者に直接説明する ルートを作る。

「すぐ引っ越す」「短期で出る」

でしたら ちょうどよかったです! タイミングによって違約金が発生するんで、ご負担ない内容でご案内させてもらってます。ちなみにもう転居先はお決まりですか?

→ 転居先で光回線を引いてもらって、現回線の違約金もこちらでサポートする流れで取りに行く。

15. 高齢者対応(70歳以上)

16. NG言い回し集(早見表)

NGOK理由
今回お伺いさせてもらったのが…(言わない)テレショップ感、営業バレ
今回ご紹介させてもらうのが…(言わない)同上
入って ると思うんですが入って るんですけど担当者なら断定する
au・ソフトバンク光・ドコモ光…KDDIの設備・NTTの設備「光」ワードでアレルギー
お知らせのことでお伝えがあるので通信設備のお知らせで伺ってます具体性が必要
すいません(連発)お世話になります謝ると立ち位置が下がる
月々の料金いくらでした?(こっちから「大体◯円ぐらい」と言う)プロ感が消える
お世話になっております(堅すぎ)お世話になりまーす営業感が出る
切り替えどうですか?来月から切り替わるんで選択肢を渡すと考えられて逃げられる
申し込みされますか?紙だけ書いてもらうんでYes/No 聞かない
キャンセルできますよ(自発的に言う)工事入るまでは大丈夫ですよ(聞かれたら)キャンセル率が上がる
先にJCOM解約してくださいね(申込確定後に案内)引き止めでキャンセルされる

17. テンプレ部分の暗唱用フレーズ集

以下は 一語一句覚える 部分。考えずに口から出るまで反復する。

場面セリフ
ピンポンお世話になります。住宅の通信設備のお知らせで伺ってます、KDDIの◯◯と申します。玄関先までお願いします。
対面挨拶あ、お世話になってます。KDDIの◯◯と申します。今ね、順番に通信設備のお知らせで伺ってまして。
設備案内もともとね、この建物自体に NTTの設備、KDDIの設備、JCOMの設備っていう形で 3つ設備入ってるんですけど、
回線ヒアリング今お兄さんとこって WiFi どちらの設備でご利用になられてました?
御礼あ、JCOMさんですね、いつもありがとうございます。
年数ヒアリングちなみに何年ぐらいご利用いただいてます?
共感(年数)あ、もう◯年も使ってもらってるんですね、ありがとうございます。
伝えるターン一応ね、僕来させてもらってたんが、この建物のJCOMユーザーさんから時間帯によって遅いってお声いただいてて、その対応で伺ってたんですけど、
体験引き出しお兄さんとこも遅く感じるタイミングとか、WiFi切って携帯回線で動画見るタイミングとか、ここ半年ぐらいでなかったです?
深掘り(時間帯)夕方の時間帯ですか? 何時頃多かったです?
深掘り(行動)その時、動画見てる時ですか? ゲーム? テレワーク?
深掘り(家族)ご家族さんも一緒にWiFi使ってる時間ですか? 奥様も遅いって言ってます?
具体的共感奥様もご不便おかけしてたんですね、申し訳ないです。それご家族にとってもストレスかかってますね。
結論結論申し上げると、来月からはこの建物に入ってる au光の方に切り替えさせてもらって、要は今ご不便のところを解決するって形で対応させてもらいますね。
料金消し料金的には変わんないんですよ。回線の部分が改善するっていうのでさせてもらってるんで。
キャンペーン後付けこの建物に関しては、やっぱそういう声多かったんで、切り替え後は初月無料 + 5ヶ月間2,200円割引適用されるんで、ちょっとラッキーみたいな感じですね。KDDIからのお詫びと思ってもらったら。
クロージングそしたら一応ね、紙だけ書いてもらわなあかんので、用意しますね〜。じゃあここと、ここと、ここだけ書いてください。
後確の事前案内この後、最終確認の電話一本入るんで対応お願いしますね。結構堅苦しい確認の電話なんで、はいはい言って出てもらったら終わります。わからないことは後から僕に聞いてください。
リスクヘッジ(申込書記入時)今回のau切替、形式的には対応で来てるんですけど、内部的にはauひかり回線に切り替えっていう形になるんで、JCOMさんのは解約になるんでご認識お願いしますね。

18. テンプレとアドリブの境界線

ここまでテンプレ(ロープレで叩き込む):

ここからアドリブ:

練習の経済性: テンプレがスラスラ言えないと、1日100ピンポンで話せるのは 2〜3件。スラスラ言えれば 10〜15件 話せる。差は5倍。先にテンプレを徹底するのが合理的。

19. 全体を貫く7つの原則

  1. 営業じゃない営業: マンション通信設備のお知らせ、で一貫させる。途中で営業っぽい話を混ぜると一貫性が崩れる
  2. 当たり前感が一番の武器: 「お知らせしなかったらこっちが怒られる」くらいの温度感で押し返す
  3. 料金で釣らない: 料金・キャンペーンを最初に出すと営業バレ。後付けで「KDDIからのお詫び」として出す
  4. 選択肢を渡さない: 「変わりますか?」ではなく「変わります」。Yes/No を聞かない
  5. ボールはこっちが持つ: クローズドクエスチョン中心。お客様には "ボールを渡したような演出" だけ
  6. 深掘らずに共感しない: 時間帯・行動・家族の3つを引き出してから具体的に共感する
  7. キレられない範囲で粘る: 「結構です」で即引かない。2回断られたら引く

最後に: テンプレを覚えるまでは戦場に立てない。逆にテンプレ覚えてしまえば、お客様と話せる回数が4倍に増えて伸びるスピードも4倍。最初の数日が一番きついけど、ここを越えれば一気に楽になります。